父や母に対する感謝は、きっと銀河系を超えて宇宙一だ。俳優・佐藤二朗の言葉

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(1)

一流大学?勿論入れた方がいい。一流企業?勿論入れた方がいい。ただ息子よ。父いま酔ってる。酔ってるが言いたい。人の不幸をちゃんと悲しむ。人の幸せをちゃんと喜ぶ。そっちの方が、遥かに、遥かに尊い。綺麗事か。綺麗事かもしれんが、酔ってる父は、わりと、それを断言したい。

(2)

昨日深夜。まさか後ろにいるとは思わなかった。控室に俺1人だけと思った。だから破った。繊細に。高鳴る鼓動を抑えながら。ゆっくりと。破った。彼女は、メイクさんは、その丸まった大きな背中を、静謐な室内に響くビリ…ビリという慎重を期す音をどう感じたろう。ホント、「袋とじ」って罪作り。

(3)

どなたかの呟き。「佐藤二朗が真面目に演技してるのを見たことがない」。どなたかに申し上げたい。真面目に演技してるように見えない演技を真面目にしているのだよ!つまりだ!どなたかよ!貴殿の眼力、正解。

(4)

母さん。48年生きてきました。色々ありました。これからも色々あるでしょう。でもこれは想定外でした。焦ってたんです。切羽詰まった便意で焦ってたんです。だから鍵を掛け忘れたんです。そして男女兼用だったんです。母さん。僕は今日、23歳の女性スタッフに、ケツを見られました。

(5)

「なんできいろや、あかがないの?」。モノクロの映像を観てた息子の言葉。そっか、5才。モノクロ初めてか。まだまだ子供よのぉ。が、次なる質問「おとうさんとおかあさんはなんでけっこんしたの?」「そらお互いのことが大好きだからだよ」「じゃあ、なんで、けんかするの?」。うーむ、あなどれん。

(6)

「二郎」との誤字の場合、「二朗ですよ〜」と丁重にご指摘申し上げるのだが、先ほど知人からのメールで「二狼」という意表を突かれた誤字があり、なんというか、なんかカッコイイ感じするのでスルー。

(7)

幼稚園のお楽しみ会で劇をやる息子が「○○の役は○○くん、○○の役は○○ちゃん…」と配役を説明してくれてるんだが、最後にドヤ顔で、「くわしくは、うえぶで。」と言ったので、「子供は時代を映す鏡」が今日の結論。

(8)

すれ違った時、正直「こわっ」と思った。スキンヘッド、龍の刺繍のTシャツ、両腕いっぱいに彫られたタトゥー、岩のようにゴツイ体。しばらく歩くと、その男が引き返してきて僕の前に立ちはだかった。超絶ビビった。「マメシバ観て大ファンなんです!」 人を見掛けで判断してはいけない。

(9)

まあ将来そういうこともあるだろうが、君はまだ5歳だからね。今のところ父も母もわりと把握してるつもりだよ。だから息子よ。叱った時に泣きながら、「ぼくのかこ、しらないでしょ!」って言うのやめれ。笑うの我慢するの大変だから。

(10)

僕の父親は78歳で、昔から自由奔放な人で、なんというか、色々母は苦労したみたいだけど、そんな父と1年に1,2回会うんだけど、今でも会うと、まず最初に僕の手をメチャクチャ強く握る。その握力に、毎度、少し安心する。父や母に対する感謝は、きっと銀河系を超えて宇宙一だ。

(11)

自宅晩酌なう。すぐ先に熟睡する息子のツムジが見える。嫁が昔「髪の生え方さえ癒される」と言った。正直、親は常に子供にゾッコンよ。ゾッコンLOVEよ。いつかうっすら髭が生え、「うぜえよ」と言われるのだろうが、君のツムジにさえ癒されたんだよという事実を、一応ここに書いとく。

(12)

マセガキだった僕は親に言われる度、「え?なんでなん?それ、誰が決めたん?」的に思ってた気がする。その言葉を親になった自分が、つい今しがた言ってしまった。だけどその言葉には、色んな事情や、何より愛が詰まってると今なら分かる。「子供はもう寝る時間だよ!」

(13)

酔った。酔ったんで、寝る。明日もいい日でありますよう。全ての人にいい日でありますよう。でもそれはなかなか難しかろうから、一生懸命やってる人に、明日もいい日でありますよう。それも難しいか。でもそうなるといいな。

(14)

10代諸君。僕もそう思っていた。「今がこんなに辛いなら大人になったらどんなけ辛いんだろう」。そうとは限らない。「大人になってからの方が千倍愉しい」。そう思う大人は僕の周りにもたくさんいる。その悩みの種は、いつかそれぞれの花を咲かせる。頑張ってください。

(15)

こないださ、呑み過ぎて帰ったらさ、烈火の如く怒られたからさ、息子よ、その問いには明確に自信を持って答えられないよ。「ねえ、おかあさんは、おんな?」

(16)

家で1人、嫁が録り溜めてた、僕出演のここ20年くらいのドラマを見てる。小さな役含め、本当に色々やってきたな、と思う。過去を持ち出しよさげな話にするつもりは毛頭ない。が、律儀に録り続けてくれた嫁に感謝。「映画は残るがドラマは残らない」と言うが、これからも誇りを持って頑張ろう。

(17)

最近虫眼鏡にご執心の息子。色んな物を虫眼鏡で見て「○○をおおきくしよう」。さっき突然自分のズボンを脱ぎ「おちんちんをおおきくしよう」。とめた。速攻でとめた。息子よ。それを大きくするのに虫眼鏡に頼ってはダ…とめた。俺をとめた。ほぼ言ってしまったがとめた。嫁に怒られるな、これ。

(18)

24歳の時、ホントに役者になれるかも分からぬまま俳優研究所に入った。今では研究生の殆どが芝居から足を洗った。それでもこんな浮き草稼業にしがみつく阿呆が僕を含めて数人おり、今日、その1人と24年振りに共演した。右宗よ。今日お前と絡んでる時にマジ泣きしそうになったのは内緒で頼むぜ。

(19)

朝早く僕の部屋に来た息子。「きょうからなつやすみだよ、おきなきゃだめ」。ちょ待、父はないのだよ夏休み。父は今年の夏もみっともなくバタバタなのよ。ま、しかし一生の記憶の片鱗が残るかもな5才の君に、なるたけ色んな場所や色んなモノを見せられるよう、父も母も手帳とにらめっこするよ。

(20)

メイクさんにメイクしてもらってる時、すぐ目の前に鏡があり、そこに写る、それはそれは普通のオッサンな自分の顔を見て「俺、なんで役者やってんだろ?」と思うことがたまにあるのだが、この謎は多分ずっと解けないだろう。

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