薬局に「薬を返しに来た」おじいさん。去り際のメッセージが胸に響く。

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もしかしたら、これを見ているほとんどの人は気にも留めないかもしれないけれど、僕の中で大きな出来事だったから、ここに書いていこうと思う。

僕は薬局で薬剤師として働いているんだけれど、よく常連の老夫婦に会うんだ。

彼らは週に2回、多いときは3回薬局を訪れる。薬局のスタッフで、2人のことを知らない人間はいなかったよ。

僕は特におばあさんと仲が良かった。2人は常連で、何年もこの薬局に通っていたから僕の先輩たちは随分前から夫婦と顔なじみだったし、新人だった僕の成長を夫婦で見守ってくれていた。

2人はいつも幸せそうで、その会話の様子から仲の良さが伝わってきた。おじいさんはいつもおばあさんの言葉や仕草に細心の注意を払っていて、彼がどんなに彼女を大切にしているのかよくわかったよ。

2人が一緒じゃない日は今まで一度もなかった。

だから、おじいさんが1人でカウンターにやってきたとき、そのことをとても不思議に思った。

「Smithさん、今日の調子はどうですか?」

と僕は尋ねた。彼は「そこそこ良いよ」と答えた。それはいつも通りの返答だったから、それ以上深くは考えなかった。そして僕はいつものように6つの薬を準備したんだ。3つは彼に、あとの3つはおばあさんに。

おじいさんは、しばらく静かにそこに立っていた。

そして、彼はこう話し始めた。

「私の妻は、昨日亡くなった。だから今日はこの前もらった薬を、返しにきたんだ。使うことができないからね」

僕らの薬局はいつも忙しくて、騒がしいんだ。でもおじいさんがそう言った瞬間、店内の誰もが手を止めた。

とても静かだった。みんながSmithさんの言葉に息を飲み、Smithさんは僕を見て、涙を浮かべていた。

「こんなことを言うのは良くないのだろうけれど、できることなら、私は彼女より先に逝きたかった。今日は、いつもより広いベッドが落ち着かなくて目が覚めたよ。

彼女は、私にとって大切な親友で、恋人だったんだ」

僕は必死に涙を堪えて彼の話を聞いていた。僕の後ろにいた何人かの同僚は、堪えきれずに泣いていた。

「けれど、悲しんでばかりいてはいけない。私は彼女に生きることを約束したんだ。私は真剣に生きていくよ。そのためには、薬を飲まなくてはね」

Smithさんは、店を出る前、僕にこんなアドバイスをくれた。

「愛している人には、愛しているときちんと伝えるんだよ。いつ会えなくなるかわからないからね」

Smithさんは奥さんが亡くなる前「愛してる」と言えなかったことを後悔していたんだ。その日の夜もいつものように「おやすみ」と言って、それが最期の会話だったそうだ。

チャンスがなくなる前に、どうかあなたの大切な人に、愛していると伝えて。

出典 TABI LABO

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