万引き

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290 :実話 1:2006/12/03(日) 11:12:57
俺は兄貴と母さんと3人暮らしだった。
父さん死んでから貧乏になったけど母さんは明るく振る舞っていた。
母さんはパート、兄貴は学校終わると週に5日車修理屋のバイト。
俺はそんな2人の帰りを待ってるだけだった。
俺は4歳からバイオリンを習ってた。
兄貴のバイト代から月謝を出してもらってた。
安いアパートに引越してからは絵に書いたような貧乏生活の始まりだった。
夕飯は白飯と半額になったお惣菜の日々・・・。
前の家の様にバイオリンの練習も出来ない環境だった。

291 :実話 2:2006/12/03(日) 11:27:15
だからなるべく学校の音楽室で練習してた。

あるクリスマスの日、頑張ってる兄貴と母さんにプレゼントしたくて万引きをした。
スーパーの入口で売ってる花を母さんに。ユニクロの靴下を兄貴に。
包装してないからすぐにバレて兄貴は「返してこい」と。
母さんは
「ありがとう、一緒返しに行こう」と。
俺は母さんとスーパーへ行った。店の店長に母さんは何度も謝った。
店長は「いえいえ、この花はもう要りませんから。どうぞ。」
と言って俺にくれた。
次にユニクロへ行って、母さんが靴下のお金を払い、俺の分の靴下も買ってくれた。

294 :実話 3:2006/12/03(日) 11:51:10
帰り際に母さんが
「ごめんね、あんた達の靴下破れてたのに買うの遅くなって」
「でも、もう万引きはしないでくれる?」

ーーーーーあれから6年ーーーーー

20歳になった時だった。
母さんがパート先で倒れた。過労のせいだった。
東京で仕事してる兄貴には言わなかった。
母さんは2ヵ月ほど入院する事になるはずだった・・・。
母さんが死んじゃう前に少しだけ話しをした。
母さん「おぼえてる?」

俺「何を?」
母さん「あんた、店で1番立派な花を万引きしたろ?」
俺「うん」
母さん「母さん今でもはっきり覚えてるよ」
そんな会話だった。

295 :実話 4:2006/12/03(日) 11:57:49
いつも明るかった母さん。
毎年クリスマスが近づくとせつなくなる・・・。

今年はあの時より立派な花を母さんに贈ります。

ありがとう

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