私が11歳の時、
私は思いがけず女性の支持者になりました。
20年前のちょうど今頃、私は故郷のロサンゼルスに住んでいました。
そこで私の可能性を変える出来事がありました。
私は小学校の授業でテレビ番組を見ていました。
すると、途中のCMで、食器用洗剤のコマーシャルが流れました。
このCMのキャッチコピーは、
「アメリカ全土の女性が鍋とフライパンの油汚れと戦っている」でした。
私のクラスの2人の男の子は
「そうだ、女性の居場所はキッチンだ!」と言いました。
私は彼らの言葉にショックと怒りを感じ、傷つきました。
彼らの言葉は間違いであり、
どうにかしなければ、と思いました。
私は家に帰って、学校で起きたことを父に告げました。
父は私に手紙を書くように勧め実際に書くことにしました。
本気で私の話を聞いてもらうのであれば、
最も強力な人たちにしようと、
11歳の当時の私は考えました。
まず考えたのが、ファーストレディーでした。
私は当時のファーストレディー、
ヒラリー・クリントンに手紙を書いたのです。
また、子供向けニュース番組の司会者をやっていた
リンダ・エラービーにも手紙を書きました。
さらに、有名な女性弁護士グロリア・アレッドにも書きました。
当時の私は全部カバーしたかったのです。
最後に、洗剤メーカーに手紙を書きました。
そして、数週間が経ちました。
驚いたことに、ヒラリー、リンダ、グロリアから
励ましの手紙をいただきました。
これは驚くべきことです。
さらに、ニュース番組は私の密着取材をしてくれました。
洗剤メーカーのP&Gが食器用洗剤のコマーシャルを
変更したのはおよそ一か月後でした。
彼らは、
「アメリカ全土の『女性』が鍋とフライパンの油汚れと戦っている」
から、
「アメリカ全土の『人々』が鍋とフライパンの油汚れと戦っている」
に変えました。
その瞬間、
自分の行動の影響力を実感しました。
11歳で平等のために立ち向かい、
小さなインパクトを与えたのです。
平等とは、私が女性の権利について
学ぶために最近訪問した、
ルワンダのポール・カガメ大統領が体現していると思っています。
彼は、いつか大統領になることを夢見ている
ジャンベ難民キャンプの少女とも対等な立場です。
国連の潘基文国連事務総長と彼と握手したいと
夢見ている国連の若いインターン生も対等です。
夫婦も対等です。
どちらが良いとか悪いとかはなく、
妻は夫と平等です。兄弟も同様です。
みんな平等なのです。
皆さんもご存知のとおり、
性差による不平等は2030年までに解消すると宣言されています。
しかし、驚くほどに不平等の解消は進んでいません。
性差による不平等は2095年まで解消されることはないでしょう。
それは今から80年も先のことです。
女性の政治参加について1995年と比較すると、
世界の女性議員の増加割合はわずか11%になっています。
たったの11%?
20年で?
ありえません!
私達は変わる必要があります。
女性は…
世界の女性の人口と潜在力は
半分以上を占めています。
そんな中、最高レベルのこの意思決定機関において、
女性の声が聞こえないというのは現実的ではありません。
私に必要な変化は、
女性がリーダーとなることの価値を見出し、
リーダーになる女性をサポートすることです。
64%の女性指導者からなる国会制をとっている
ルワンダのカガメ大統領はまさにロールモデルです。
私はルワンダが世界のどの政府よりも
最高だと信じて疑いません。
正しいことに立ち向かう11歳の自分を擁護してくれた
父のような男性がもっと必要です。
少女の声だったとしても
影響力は決して小さくないということは
先ほどもお話した通りです。
女性は、問題解決のために地方自治体のコミュニティや
議会の場で活躍する必要があります。
女性は議論のテーブルにつく必要があります。
そのためにはまず、
そこに着席するための招待状が必要です。
そもそも議論の場がない場合には、
自分たちで議論の場を作り出す必要があります。
女性の政治参加なしでは、
効果的な変化を実現することができないという
グローバルな理解も必要です。
夢を持つ女の子は
ビジョンを持った女性になると言われています。
彼女たちのビジョンを実現するために
力を貸していただけないでしょうか?
単に平等について話すだけでは不十分です。
まずは信じること。
信じるだけでも不十分です。
次に行動すること。
さあ、行動い移しましょう。
今から一緒に始めましょう。
どうもありがとうございました。
― 2015年に行われた国連による国際女性デーでのメーガン妃(メーガン・マークル)のスピーチより