人の仕事を見て
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「たいしたことないな」と思ったら、
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自分自身で
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その仕事をやってみなさい。
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人の商売を見て、下手だと思ったら、
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自分でその商売をやってみなさい。
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隣の家の家族を見て
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教育がなってないと思ったら、
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その教育を自分の家族にやってみなさい。
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人の著書を評論したいと思うなら、
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自分で筆を執って本を書いてみなさい。
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学者を評価しようと思ったら学者になってみなさい。
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医者を評価しようと思ったら医者になってみなさい。
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大きな問題から小さな事柄に至るまで、
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他人の「働き」に
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くちばしを挟(さしはさ)みたいと思うなら、
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試しにその身を
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その「働き」の地位において、
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自分自身で体験した上で考えてみなさい。
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仮に職業としてまったく違うものであっても、
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よくその「働き」の難易・軽重を測るのです。
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まったく種類の違う仕事であっても、
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ただ両方の「働き」をもって
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自分と他人を比べれば、
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大きな間違いはないでしょう。
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― 『学問のすすめ』福沢諭吉
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