おそすぎてもいけない、無理が一番いけない、自然がいい。武者小路実篤の言葉

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(1)

 

自分を信じて行かなければいけない。

教わるものは遠慮なく教わるがいいが、

自分の頭と眼だけは

自分のものにしておかなければいけない。

 

 

(2)

 

色と言うものは

お互いに助けあって美しくなるものだよ。

人間と同じことだよ。

どっちの色を殺しても駄目だよ。

どの色も生かさなければ。

 

 

(3)

 

あるがままにて、

満足するもの万歳。

 

 

(4)

 

才能で負けるのはまだ言い訳が立つ、

しかし誠実さや、勉強、熱心、

精神力で負けるのは

人間として恥のように思う。

他では負けても、

せめて誠実さと、

精神力では負けたくないと思う。

 

 

(5)

 

もう一歩。

いかなる時も自分は思う。

もう一歩。

今が一番大事なときだ。

もう一歩。

 

 

(6)

 

自分の力に合うことだけしろ、

その他の事は、

おのずと道が開けてくるまで待て。

 

 

(7)

 

心配しても始まらないことは

心配しない方が利口だ。

心配すべきことを

心配しないのはよくないが、

それも大胆に、

いじけずに心配すべきだ。

 

 

(8)

 

人間が死ぬ時の言葉は

美しいと言われているのも、

人間は死ぬ時は、

自分のことを考えず、

あとのことを考えるからである。

 

 

(9)

 

僕が信用する人はどんな時でも、

本音のあり場所を示す人だ。

本当のことがわからない時は、

わからないとはっきり言える人だ。

 

 

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(10)

 

僕はいい画や字を見ると、

自分より優れた人間が

この地上に生きていたことをはっきり知って、

ありがたくなり、

自分も負けていてはすまないと思う。

 

 

(11)

 

ものになるならないは、

実に一寸した処で決まるのだ。

昨日までものにならなかった人が、

今日ちゃんとものになっていた。

そう言う事実を自分は何度か見た。

 

 

(12)

 

何にも特色がなくとも

正直に働く人は、

それは新しい世界の基礎になる。

 

 

(13)

 

おそすぎてもいけない、

無理が一番いけない、

自然がいい。

 

 

(14)

 

本当にころがつた者は

起き上がる時は

何か得をしてゐる。

 

 

(15)

 

人生は楽ではない。

そこが面白い。

 

武者小路実篤(むしゃのこうじ さねあつ、1885年(明治18年)5月12日 – 1976年(昭和51年)4月9日)、日本の小説家・詩人・劇作家・画家。貴族院勅選議員。華族の出で、トルストイに傾倒し、『白樺』創刊に参加。天衣無縫の文体で人道主義文学を創造し、「新しき村」を建設して実践運動を行った。伝記や美術論も数多い。

 



著:武者小路 実篤, 編集:亀井 勝一郎
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