光と影

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たとえば、

どんなに無傷に見える人にも、

本当は

飛んで会いに行きたくなる人がいて、

もう二度と会えない人がいて、

死にたい夜があるということ。

なにかを、

あえて言わないようにしているということ。

あるいは、

書かれたことより、

書かれなかったことの方が

多いということ。

撮られたものより、

撮られなかったものの方が

常に多いということ。

友達との写真を

SNSにアップし続ける人に

本当に足りないのは、

友達だと思う。

お金のことばかり話す人に

足りていないのが預金であるように。

恋人とのことばかり話す人に

本当に足りないのは

愛されているという確信だろう。

幸福な人が、

自分は幸福だと言いふらす必要はない。

一見優しい人は、

本当は冷たい人だったりする。



著:本田晃一
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