(1)
道を歩いて
つまづくのはありがちなことだ。
少しも気にすることはない。
(2)
百万一心
ひゃくまんいっしん)
国人が皆で力を合わせれば、
何事も成し得る。
(3)
我、
天下を競望せず。
(4)
この矢一本なれば、最も折りやすし。
しかれども一つに束ぬれば、折り難し。
汝ら、これに鑑みて、
一和同心すべし。必ず背くなかれ。
(5)
言葉は
心の使いである。
(6)
言葉によって、
その人が善か悪か、才能があるかないか、
剛勇か臆病か、利口か愚かか、
遅いか速いか、正直か正直でないか、
そうしたことがすぐに分かるものだ。
(7)
一芸もいらず、能もいらず、
遊もいらず、履歴もいらない。
ただ日夜ともに武略、
調略の工夫をすることこそ肝要である。
(8)
一年の計は春にあり、
一月の計は朔にあり、
一日の計は鶏鳴にあり。
(9)
謀多きは勝ち、
少なきは負ける。
(10)
友を得て
なおぞ嬉しき桜花
昨日にかはる
今日のいろ香は
― 毛利元就 辞世の句