酔わなきゃ本音を言えない人を、信じちゃだめだよ。小説家 横山秀夫の言葉

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(1)

 

小さなことを恐れなさい。

大きなことは、どうにもならない。

 

小さなことを恐れなさい。

大きなことは、どうにかなるの。

 

小さなことを恐れなさい。

小さなうちに、恐れなさい。

 

 

(2)

 

生まれてから死ぬまで

懸命に走り続ける。

転んでも、傷ついても、

たとえ敗北を喫しようとも、

また立ち上がり走り続ける。

人の幸せとは、

案外そんな道々

出会うものではないだろうか。

 

 

(3)

 

一心に上を見上げ、

脇目も振らずにただひたすら登り続ける。

そんな一生を送れたらいいと

思うようになった。

 

 

(4)

 

同じ場所を与えられることは

二度とない。

その一瞬一瞬に、

人の生きざまは決まるのだ。

 

 

(5)

 

一人でいい、

友だちをつくれ。

 

 

(6)

 

ゆっくりしか歩けないのなら、

ゆっくり歩けばいい。

 

もう自分をかざるのはよそう。

弱いところは弱いところとして、

見せていこう。

 

それは、みじめでもなんでもない。

 

 

(7)

 

酔わなきゃ本音を言えない人を、

信じちゃだめだよ。

そういう人は本当の人生を、

生きていないからね。

 

 

(8)

 

心の声を聞き逃さないよう、

耳を澄ましてみてください。

間違っても、

心の声を聞かないまま

ズルズルと進まないよう、

気をつけることです。

 

 

(9)

 

自分が見下されているから、

人を見下そうとするのだ。

見下されない高さまで

上り詰めるしかない。

 

 

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(10)

 

言葉の暴力は心を傷つけるだけだ。

普通に生きていれば誰だって

心なんか傷だらけだ。

だが、身体に受けた暴力は

心にも身体にも深い傷を残す。

心が思い出しては身体をいたぶり、

身体が思い出しては心を切り刻むのだ。

それが、

たとえ一度きりのことであっても。

 

 

(11)

 

まあ、いろんな行き違いもありました。

でも、

違う道を歩くことは

決して悪いことではないですよ。

 

 

(12)

 

実際の死よりも

社会的な死のほうが恐ろしい

という人は数多くいます。

私もそっちのカテゴリーの人間です。

だから心筋梗塞で倒れるまで書き続けた。

そこで仕事を一つ断ったら、

自分は社会的な死に向かって

転がり落ちるんじゃないか

という恐怖を感じて。

 

 

(13)

 

不本意な道を

歩かなければならなくなったとき、

それでも腐らずに

手を伸ばして得た収穫は、

自分の想像を

はるかに超えたものになるのではないか。

 

 

(14)

 

どんなに小さい出来事でも

自分に関わる問題が目の前に立ち上がった時、

人はたちまち人生の岐路に立たされる。

それが私の考えるリアリティです。

 

 

(15)

 

どうありたいかは、

自分のことをどれだけ

把握しているかにもつながる

難しい問題ですね。

私はまだ駆け出しで、発展途上です。

 

横山秀夫(よこやま ひでお、1957年1月17日-)、小説家、推理作家、漫画原作者。代表作 に『半落ち』(2002年)、『クライマーズ・ハイ』(2003年)、『64(ロクヨン)』(2012年)がある。

 



著:横山秀夫
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