これはイギリスに伝わる伝説です。
王の命と引き換えに、
醜くて性悪な女性と結婚した甥ガヴェインが、
覚悟を決めてその女性にキスをすると
彼女はたちまち美しい女性に変身しました。
驚くガヴェインに
彼女はこう言いました。
「あなたのキスで、呪いの半分がとけました。
しかし、私は1日の半分だけしか美しくいられません。
あなたは昼の間だけ美しい方がいいのか
夜の間だけ美しい方がいいのか
選ぶことができます。
もし私が昼だけ美しくいられれば
『あなたの妻は美しい』と周りから賞賛されますが
夜2人の時は醜くて意地悪な私が
あなたに辛くあたるでしょう。
昼だけ醜ければ、周囲の人から
『醜い妻をめとった』と噂され
あなたは外で辛い思いをするかもしれません。
でも、2人の時には美しい私が
あなたに献身的につくすでしょう。
どちらが良いですか?」
ガヴェインは、こう答えました。
「もしあなたが夜の間だけ醜ければ
私との冷ややかな夫婦生活に
あなた自身も辛い思いをするでしょう。
逆に昼間の間だけ醜くても
周囲の人に悪く言われて
あなたが苦しむことになります。
だから私が選ぶのでなく
あなたにとってどちらが耐えられるか
あなたが選んでください」
その言葉を聞いた瞬間、
妻の呪いは解け、
一日中美しいままの姿でいられるようになりました。