(1)
好きな人には好きって言わずに会いたいっていうでしょ。
会いたい人には会いたいって言わずにご飯行きません?って言うでしょ。
別府君、好きだって言う代わりに「チケット一枚余っているんだけどさ」って言ったことない?
行けたら行くね、はどういう意味?言ったら行くな、行くなら言うな。
言葉と気持ちは違うの。
こんなのデートじゃないんだからね!っていうのはデートでしょ。
絶対怒らないから本当のこと言って、って言って本当のこと言ったらメッチャ怒られるでしょ。
それが行間!
連絡しますねっていうのは、連絡しないでねって意味でしょ。
ードラマ「カルテット」家森諭高(高橋一生)の台詞より
(2)
夢とか目標を、
なんとか大事に大事に守ろうと思って
抱いているうちはダメだ、
ということが最近わかりました。
手放した瞬間に何かが始まると思うんです。
手放したところから、
どれだけ自分が持っていた
感触というものが、血肉になるかという。
(3)
プロというか、夢というものは、
ある時から自分のご飯を
食べていくものになっていく。
その中で、
頑張っちゃいけないと思うんです。
「頑張る」のが
当然のラインだと思っていて。
そこからどうするかということや、
それこそ(夢や目標を)手放す先も
見据えていかないといけない。
夢が叶った後の後処理というか、
どういう風に心持ちや
自分のモチベーションを保つか
というところを含めて、
意識しなくちゃいけない。
それが多分プロでいることだと思います。
(4)
寄り添おうと思って寄り添ってしまうと、
いろんな感情が
どうしても生まれてきてしまう。
結果的に寄り添ったということって大事で、
何が大事かというと、
個人であることだと僕も思います。
(5)
これまでの人生で得たものを
役に与え、
そのフィードバックが
僕の人格のひとつとなり、
さらに役に注がれる。
そのサイクルなんです。
(6)
演技とは演じる技であり、
あくまでもベースであって、
最終的には
芝居という芝の上に居るような
自然体に到達しなくちゃいけない。
僕は役の後ろに隠れたくて、
むしろそのために演技を使うこともある。
でもだからこそ核心となる部分は
ブレないよう大事に持っておかないと。
(7)
見栄という概念自体が僕にとっては
背伸びという感覚ではないんです。
気持ちのいい服を着た時って
自ずと見栄が切れている。
(8)
僕にとって見栄というのは
ストレスではなく、心地よさ。
見ている人もやっぱり
格好いいと思うはずで、
それがすごく大事だと思います。
(9)
俳優としてお芝居を
させていただいてきた中で、
『あ、今が最高だ』って思う瞬間が
この現場(大河ドラマ「おんな城主 直虎」)
で何度もあったんです。
決してネガティブに捉えて
いただきたくないのですが、
もう死んでもいいと思う瞬間が。
(10)
住んでみて「何か違うな」って感じたら、
住んでいる場所もけっこう移動します。
もともと馴染みのある場所から
離れたいという気持ちもあって、
引っ越すときには、区を変えたりして。
(11)
お芝居というのは、
せりふの応酬ではないと思っています。
僕が一番大事にしているのは、
言葉の間(ま)や呼吸。
(12)
僕の理想とする芝居は何もしないことです。
ただいるだけで何が語れるか。
言葉や行動などいろいろなものを
省いていった時、
どうやったら本当に
伝えたいことを届けられるのか。