(1)
後ろは振り返らない。
前に進めなくなっちゃうから。
(2)
役者は
権威と箔がついたら終わり。
平でいたい。
(3)
私が演じてみたいのは、
人生経験をしながらダメになっていく男。
出世第一主義者より、
こういう人生の落後者のような人物の方に、
はるかに人間としての魅力があると思うのだ。
完全無欠なんて面白くもなんともない。
(4)
道の真ん中を歩くのはお客さん。
芸人は道の脇を歩け。
道の真ん中はお客さんが歩くところだ。
私は、それ(その父の言葉)は
今だに守っています。
(5)
僕は戦争がトラウマになっている。
新聞でも『戦争』の2文字が目に入っただけで、
もうそれ以上は読みたくなくなるんです。
(6)
戦争は人を殺し合うこと。
日本は憲法で戦争を放棄したんですから、
戦争にかかわることがあってはならない。
(7)
終戦の時、私は小学校2年生で、
池袋生まれだったのですが
疎開で京都に行く事になりました。
疎開前に、B-29が大阪の空を
真っ赤に染めるのをこの目で見たのです。
戦争というのは、
勝った方も負けた方も
人間として苦しむものなのです。
(8)
自分の人気、看板。
これはひと様がくれるもの、
ぼくは最初、名もない神輿やった。
あるとき、担ぎ手が倉庫で眠っていた
ほこりの被った神輿を担いでくれた。
きれいにして飾りもつけてくれた。
そう思うんですよ。
(9)
飾りイコール箔ですよね。
人間、
自分で飾りをつけたくなるんです。
(10)
下の娘がね、言いました。
「お父さん、やっぱり普通がええわ。」
「普通の暮らしやで。」
「あんな大きな家、落ち着かへんかった。」
その言葉が一番助かった。
(11)
アンタに逢いたくなったら、
瞼(まぶた)を合わせりゃいいんだよ。
両の瞼を閉じればよ、
真っ暗闇からアンタの面影が見えてくる…
それでいいんだ、
どこへ行っても逢いたくなったら瞼を閉じる、
それでいいんだ。
ー 『瞼の母』番場の忠太郎の台詞
(12)
世の中に
仕事人なんてのはいないんですよ。
『必殺』は、夢の世界ですから。
「チャララー♪」
と流れたら、夢の世界。
(13)
あんな派手な
痴話喧嘩が出来るうちは人生、華だ。
そのうち、顔見んのも嫌、話をすんのも嫌、
肌を触れ合うのも嫌なんて時期が必ず来る。
女なんてなぁそんなものだ。
そのうえ姑という名の
ばばあがくっつきゃ、地獄に修羅ってとこだ。
ばばあの名が「せん」、かかあが「りつ」、
ふたり並んで「戦慄」とくりゃ、
こっちは生きてるのが精一杯だ。
ー 『必殺』シリーズ 中村主水の台詞
(14)
この銭は、
三途の川の渡し賃だ。
大事にしろよ。
ー 『必殺』シリーズ 中村主水の台詞
(15)
そう、
あんたの思った通りだよ諸岡さん。
ー 『必殺』シリーズ 中村主水の台詞