(1)
世界には、
きみ以外には誰も
歩むことのできない唯一の道がある。
その道はどこに行き着くのか、
と問うてはならない。
ひたすら進め。
(2)
あなたが出会う最悪の敵は、
いつもあなた自身であるだろう。
(3)
悪とは何か?
弱さから生じるすべてのものである。
(4)
昼の光に、
夜の闇の深さがわかるものか。
(5)
友よ、
人を懲らしめたいという
強い衝動を持つ者を信用するな!
(6)
人が意見に反対するときは
だいたいその伝え方が
気に食わないときである。
(7)
人は何を笑いの対象にするかで、
その人の人格がわかる。
(8)
結婚するときはこう自問せよ。
「年をとってもこの相手と
会話ができるだろうか」
そのほかは年月がたてば
いずれ変化することだ。
(9)
目的を忘れることは、
愚かな人間に
もっともありがちなことだ。
(10)
いい手本を示そうとする者は、
自分の徳に微量の馬鹿げたところを
添えなくてはならぬ。
すると人は見習って、
同時にその模範を眼下に見下ろす、
これが人々の好むところである。
(11)
深淵を覗き込む者は、
深淵からも覗きこまれているのだ。
(12)
たくさんのことを
生半可に知っているよりは、
何も知らないほうがよい。
(13)
表にはさながら
悪意のごとく振舞う、
気位の高い慈愛もある。
(14)
人々は
あなたの美徳によって
あなたを罰し、
あなたの過ちによって
あなたを許す。
(15)
人間は恋をしている時には
他のいかなる時よりも、じっとよく耐える。
つまり、
すべてのことを甘受するのである。