ほんとうに幸福な姿は淋しさに似ているのかもしれない。深沢七郎の言葉

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(1)

どんな仕事も

仕事はツマラないのです。

(2)

「忘れる」という智能を

人間はもっている。

(3)

ただ、

ぼーと生まれてきたのだから、

ぼーと生きれいればいいのです。

(4)

つまらないことを考えないで

刹那主義でいることです。

(5)

女を理解するなんて男は

ロクな男性ではありません。

(6)

愛などというものは

欲深女や精神病の男の

飛び道具である。

(7)

淋しいって痛快なんだ。

(8)

ほんとうに幸福な姿は

淋しさに似ているのかもしれない。

(9)

無職ということも

ステキな人生です。

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(10)

おすすめすることは

行商などやって放浪すること、

お勤めなどしないこと、

食べるぶんだけ働いていれば

のんびりといられます。

(11)

コッケイ以外に

人間の美しさはないと思います。

(12)

女は男をたのしみ、

男は女をたのしむ。

これが重大なのです。

(13)

人間には

本物なんかありません。

みんなニセモノです。

(14)

どんな人もズウズウしいくせに、

ハズカシイような顔をしているのです。

どんな人も

ゼニが欲しくてたまらないのに

欲しくないような顔をしているのです。

人間は欲だけある動物です。

(15)

人間は動物の中でも最もアサマシイ、

不良な策略なども考える

卑劣な、恐ろしい動物です。

だから、本物などある筈はありません。

深沢七郎(ふかざわ しちろう、1914年〈大正3年〉1月29日 – 1987年〈昭和62年〉8月18日)、日本の小説家、ギタリスト。職を転々とし、ギター奏者として日劇ミュージックホールに出演。『楢山節考』が正宗白鳥に激賞され、異色の新人として注目を集めた。「中央公論」に発表した『風流夢譚』に関わる右翼テロ事件(嶋中事件)後、筆を折った時期もあったが、土俗的な庶民のエネルギーを描いて独自の作品を発表し続けた。農場や今川焼屋を経営したり、ギター・リサイタルを開催したりと多くの話題を残した。他に代表作『笛吹川』『東京のプリンスたち』『庶民烈伝』『みちのくの人形たち』など。


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