(1)
愛は、
自我をしてその愛する対象の中に
みずからを失わしめる。
しかも同時にまた、
その対象を自分のものにしようとする。
これは矛盾であり、
また人生の一大悲劇である。
(2)
愛は
実在をあるがままに
正しく見ることから流れ出る。
(3)
西洋人は
物事を頭で考えて
分析・比較・対照するが、
東洋人は全体を見て腹で考える。
(4)
禅とは、
心の奥底にある
無限の創造性に徹し、
これに随順して生きること。
(5)
禅は不意を打つものだ。
(6)
禅は事実を扱うものであって、
一般論を語るものではない。
禅は人格の根源に直入する。
(7)
禅とは
一人ひとりの実際の体験であって、
分析や比較によって
得られる知識ではない。
(8)
悩みの解決は
矛盾を超越するところに見られる。
人間は反省する、分別する、
矛盾を見る、悩むとすれば、
その矛盾を超越するより外に
解決の途はない。
(9)
意識の世界は、
不可避的に、制限と、
道を阻む障壁とに充ちた世界である。
(10)
人間は
偉くならなくとも
一個の正直な人間となって
信用できるものになれば、
それでけっこうだ。
(11)
依頼心を捨てよ。
これに尽きる。
(12)
我々は
知性に生きるのではなく、
意志に生きるのだ。
(13)
偉大な仕事は、
人が打算的になっておらず、
思考していないときになされる。
(14)
死を恐れるのは、
やりたい仕事を持たないからだ。
やりがいのある、
興味ある仕事に没頭し続ければ
死など考えているヒマがない。
死が追ってくるより先へ先へと
仕事を続ければよいのである。
(15)
真っ黒になって
黙々として一日働き、
時期が来れば“さよなら”で消えていく。
このような人間を
偉い人だと自分は言いたい。