(1)
肉体的な弱点でも、
内面的なものでも、
それを他人に気づかれまいと
苦心するところから
人間は醜くなるのです。
(2)
寂しさを
誤魔化そうとかしてはならない。
自分を欺いたりしないで、
そのさびしさをまっすぐに見つめ、
その自分の心に忠実にしたがえばよい。
(3)
「食べていけるだけ」
「生きているだけ」というのは、
そんなに価値のないことでしょうか。
(4)
人生は思うにまかせねものである。
好きであっても素質がない場合もあり、
素質はあっても環境や運に恵まれず、
好きではない世界で
一生をおくらなければならないこともある。
(5)
人生の目的の第一歩は、
生きること、である。
(6)
私たちは死ぬときは、
ただひとりで逝く。
恋人や、家族や、
親友がいたとしても、
一緒に死ぬわけではない。
(7)
人は
支えあって生きるものだが、
最後は結局ひとりで死ぬのだ。
(8)
一日に一回、
どんなことがあってもよろこぶ。
そう決心しました。
(9)
自分を愛せる人間が
他人をも愛せる。
(10)
人間の値打ちというのは
どこにあるのでしょうか。
それは、
ほかに似た人が
いないということです。
(11)
憂えるのは大事なことで、
心の中に
何とも言えない憂いが湧きあがる。
これがなければ社会は進みません。
(12)
人間の値打ちというものは、
生きている
-この世に生れて、
とにかく生きつづけ、
今日まで生きている。
そのことにまずあるのであって、
生きている人間が何事を成し遂げてきたか、
という人生の収支決算は、
それはそれで、
二番目ぐらいに
考えていいのではないだろうか。
(13)
日本には
世界に誇るべき思想がふたつあります。
ひとつはSyncretism(シンクレティズム)、
神仏混淆という考え方です。
仏壇と神棚が同居していても争いにならない。
一神教同士の原理主義的な宗教対立が先鋭化して
世界の発展を阻害している時代だからこそ、
共存思想が輝きを放つのです。
(14)
もうひとつが、Animism(アニミズム)、
山にも川にも、一木一草にも
精霊や神が宿るという考え方です。
今日の環境問題の根底には
西欧的な人間中心主義があります。
人間も地球の一員という発想は、
アニミズムの根からしか生まれてきません。
(15)
人生に目的はあるのか。
私は、ないと思う。
あらかじめ決められる法律のような
人生の目的というものを、
私は想像することができない。