（１）
自分が顧みて
人間として
恥ずかしくない人であればいい。
自分が自分を顧みて
立派な人間になるということだ。
（２）
人が
「馬鹿だ」と言ったって
自分が馬鹿でなければいいということだ。
反対に
「あなたは偉い人ですね」とおだてられて，
偉がっておる馬鹿がおるか。
（３）
世の中に混乱がある。
それもたったひとつで
解決がつきゃしませんか。
それは「お互い」ということですよ。
（4）
愚痴を止めよ。
（5）
人格を磨く，鍛錬する，
勇んで難につく，つとめて苦労する，
贅沢を排して生活を安定する，
大いに思索する。
（6）
逆境の時に立てた計画は
堅実で間違いない。
（7）
人間は
お互いに助け合わなければならない。
ところが人を助けるためにはまず
自分の力を養成することが先決でしょう。
（8）
利益を得るために
人を害してはなんにもなりませんよ。
（9）
事業を行うには
まず人材を養成しなければならない。
人材はどうして養成するか。
それは尊重すべき人間になれ
ということである。
（10）
自分から見て
尊重すべき人間というのは，
良心の強い，真の個人である。
（11）
たんなる金儲けを目指すだけでは、
真の事業とはいえない。
そこには、真も善も美もない。
（12）
事業も
究極においては芸術である。
（13）
現在のように
人心の退廃した時代の人を救うには，
親切に徹底しなければならぬ。
（14）
いい加減な親切は
かえって逆効果をおこす。
（15）
不言実行は
事業家の最も尊重すべき要点であります。
大言壮語は
実業家の最も慎むべき事であります。
実業界の唯一の頼みは実力であります。
この実力を個人的錬磨と
その団結力によって発揮しようというのが
我々の主義方針であります。
出光佐三（いでみつ さぞう、1885年8月22日 – 1981年3月7日）、明治から戦後にかけての日本の実業家・石油エンジニア・海事実業家。石油元売会社出光興産の創業者。貴族院多額納税者議員。
