あまり人生を重く見ず、捨て身になって何事も一心になすべし。福沢諭吉の言葉

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(1)

 

もし他人の仕事に不満だったら、

自分でその仕事を試みてみたまえ。

他人の商売のやり方がまずいと思ったら、

自分でその商売をやってみたまえ。

隣家の生活がずさんに思えたら、

自分の家で試してみたまえ。

 

 

(2)

 

人たるものは、

他人の権利の妨げさえしなければ、

自由に行動すべきで、

他人の利害に関係せぬ以上は、

はたからあれこれ口を出されるいわれはない。

 

 

(3)

 

水があまりに清ければ、

魚は棲めない。

人は知的であり過ぎれば、

友を得るのが難しい。

友人を受け入れるには、

度量が広く、

多少ぼんやりとしているところも

あったほうがいい。

 

 

(4)

 

自由と我儘(わがまま)との界は、

他人の妨げをなすとなさざるとの間にあり。

 

 

(5)

 

人は、生まれながらに、

貴賤貧富の別なし。

ただ、

良く学ぶ者は、

貴人となり、富人となり、

そして、

無学なる者は、

貧人となり、下人となる。

 

 

(6)

 

進まざる者は必ず退き、

退かざる者は必ず進む。

 

 

(7)

 

やってもみないで、

「事の成否」を疑うな。

 

 

(8)

 

自分の考えだけで、

他人を評価してはならない。

 

 

(9)

 

人生は芝居のごとし、

上手な役者が乞食になることもあれば、

大根役者が殿様になることもある。

とかく、余り人生を重く見ず、

捨て身になって何事も一心になすべし。

 

 

(10)

 

人生、万事、小児の戯れ。

 

 

(11)

 

金銭は独立の基本なり。

これを卑しむべからず。

 

 

(12)

 

苦は楽の種で、

楽は苦の前兆である。

 

福沢諭吉(ふくざわ ゆきち、旧字体: 福澤 諭吉、天保5年12月12日〈1835年1月10日〉- 明治34年〈1901年〉2月3日)、幕末から明治期の日本の啓蒙思想家、教育家。慶應義塾の創設者。諱は範(はん)。字は子圍(しい)。揮毫の落款印は「明治卅弐年後之福翁」。雅号は、三十一谷人(さんじゅういっこくじん)。

 



著:福澤諭吉, 翻訳:斎藤孝
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