あなたは私と息子をおいて
40歳の若さで
逝ってしまいましたね。
あなたが亡くなって
最初の私の誕生日、
8歳の息子と
ささやかにお祝いしました。
クリスマスの日は、
私がサンタクロースになって、
プレゼントを息子の枕元に
置きました。
桜の季節、
あなたを思い出し、
涙が出ました。
息子が小学校を卒業するとき、
あなたの写真を
バックに忍ばせて、
私の膝の上で
一緒に卒業式を見届けましたね。
中学生になると、
なかなか言うことを
聞かなくなってきましたが、
「あなたの子だから大丈夫」と
自分に言い聞かせ、
子供を信じました。
中学が終わるころには
優しい子に育っていました。
高校時代はアルバイトしながら、
塾にも通っていました。
無事に希望の大学に合格し、
東京で一人
暮らしを始めました。
私は独りぼっちになりました。
それでも
仕送りをしなくてはならないので、
朝から晩まで働きました。
大学を卒業し、就職。
やっと私も役目を果たしたと思い、
仕事の量を少し減らす
ことができました。
数年後、
息子は結婚し、
子供が生まれました。
私たちの孫です。
孫は格別にかわいいと言いますが、
本当です。
今度は孫のためにと、
また仕事を増やしました。
この歳になって、
ようやく気づきました。
なぜあなたが、
あんなになるまで
一生懸命働いていたのか。
なぜあなたが、
お金にケチケチしていたのか。
すべて家族のため、
守る者のためだったのですね。
あなたの元へ
何度行こうとしたことか。
本当に辛く苦しい日々だった。
でも、
生きることをやめないで良かった。
あなたの元へ
まだしばらくいけませんが、
寂しがらずに見守ってください。
今でもあなたを愛しています。