(1)
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思っているだけで何もしないんじゃな、
愛してないのと同じなんだよ。
愛してるんだったら、態度で示せよ。
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(2)
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何というかな。
ああ生まれてきて良かった、
そう思うことが何べんかあるだろう。
そのために生きてんじゃねえか。
そのうちお前にもそういう時が来るよ、な?
まあ、がんばれ。
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(3)
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ザマ見ろ、
人間理屈じゃ動かねえんだ。
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(4)
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男が女にほれるのに
年なんかあるかい。
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(5)
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あいつがしゃべれねえーてのは、
あんたに惚れてるからなんだよ。
今度あの子に会ったら、
こんな話しよう、あんな話もしよう、
そう思ってウチを出るんだよ。
いざその子の前に座ると、
ぜーんぶ忘れちゃうんだね。
で、馬鹿みてーに黙りこくってんだよ。
そんなてめえの姿がなさけなくって、
こー、涙がこぼれそうになるんだよ。
な、女に惚れてる男の気持ちって、
そういうもんなんだぞ。
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(6)
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格好なんて悪くったっていいから、
男の気持ちを
ちゃんと伝えてほしいんだよ、女は。
だいたい男と女の間っていうのは、
どこかみっともないもんなんだ。
後で考えてみると、
顔から火が出るような
はずかしいことだってたくさんあるさ。
でも愛するってことはそういうことなんだろ、
きれいごとなんかじゃないんだろ。
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(7)
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ああいい女だなあと思う。
その次には、話がしたいなあと思う。
ね?その次には
もうちょっと長くそばにいたいなあと思う。
そのうちこう、
なんか気分が柔らかぁくなってさ、
ああこの人を幸せにしたいなあと思う…。
もうこの人のためだったら命なんかいらない、
俺死んじゃってもいい、そう思う。
それが恋というもんじゃないだろうか。
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(8)
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青年。
女にふられた時は、
じっと耐えて、
一言も口をきかず、
黙って背中を見せて去っていくのが、
男というものじゃないか?
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(9)
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あの、何か困っていることがございませんか?
どうぞ私に言ってください。
大したことはできませんが、
指の1本や2本、いいえ、
腕や片足ぐれえでしたらなんてこたぁありません。
どうぞ言ってください。
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(10)
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おてんとうさまは、
見ているぜ!
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(11)
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俺はな、
学問つうもんがないから、
上手い事は言えねえけれども、
博がいつか俺にこう言ってくれたぞ、
自分を醜いと知った人間は、
決してもう、醜くねえって・・・。
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(12)
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働くってのはな、
博みたいに
女房のため子供のために額に汗して、
真黒な手して働く人達のことをいうんだよ。
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(13)
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たった一度の人生を
どうしてそう粗末にしちまったんだ。
お前は何の為に生きてきたんだ。
なに?てめえのことを棚に上げてる?
当たり前じゃねえか。
そうしなきゃこんなこと言えるか?
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(14)
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お前もいずれ、
恋をするんだなぁ。
ああ、可哀想に。
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(15)
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どうだい、旅は楽しかったかい。
例えこれがつまんない話でも、
面白いねぇと言って
聞いてやらなきゃいけない。
長旅をしてきた人は、
優しく迎えてやらなきゃなぁ。
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(16)
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おう労働者諸君!
今日も一日ご苦労様でした。
さあ明日はきっと
からっと晴れたいい日曜日だぞ。
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(17)
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例えば、日暮れ時、
農家のあぜ道を
一人で歩いていると考えてごらん。
庭先にりんどうの花が
こぼれるばかりに咲き乱れている
農家の茶の間。
灯りが明々とついて、
父親と母親がいて、
子供達がいて賑やかに夕飯を食べている。
これが・・・
これが本当の人間の生活
というものじゃないかね、君。
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(18)
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インテリというのは自分で考えすぎますからね。
そのうち僕は何を考えていたんだろうって、
分かんなくなってくるんです。
つまり、
このテレビの裏っ方で言いますと、
配線がガチャガチャに
こみ入ってるわけなんですよね、
ええ、その点、
私なんか線が1本だけですから、
まあ、言ってみりゃあ、
空っぽといいましょうか、
叩けばコーンと澄んだ音がしますよ、
殴ってみましょうか?
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(19)
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労働者諸君、
田舎の両親はお元気か。
たまには手紙を書けよ。
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