きょう一日を、よろこび、努め、人には優しくして暮したい。太宰治の言葉

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(1)

人間は、

しばしば希望にあざむかれるが、

しかし、また、

「絶望」という観念にも

同様にあざむかれる事がある。

(2)

私はなんにも知りません。

しかし、

伸びて行く方向に陽が当たるようです。

(3)

疑いながら、

ためしに右へ曲るのも、

信じて断乎として右へ曲るのも、

その運命は同じ事です。

どっちにしたって

引き返すことは出来ないんだ。

(4)

人間三百六十五日、

何の心配も無い日が、一日、

いや半日あったら、

それは仕合せな人間です。

(5)

君のような秀才にはわかるまいが、

「自分の生きていることが、

人に迷惑をかける。僕は余計者だ」という意識ほど

つらい思いは世の中に無い。

(6)

弱虫は、

幸福をさえおそれるものです。

綿で怪我するんです。

幸福に傷つけられる事もあるんです。

(7)

駄目な男というものは、

幸福を受け取るに当たってさえ、

下手くそを極めるものである。

(8)

男って、正直ね。

何もかも、まる見えなのに、

それでも、

何かと女をだました気で居るらしいのね。

犬は、爪を隠せないのね。

(9)

大人とは、

裏切られた青年の姿である。

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(10)

僕は今まで、

説教されて、改心したことが、

まだいちどもない。

説教している人を、

偉いなあと思ったことも、

まだ一度もない。

(11)

一日一日を、

たっぷりと生きて行くより他は無い。

明日のことを思い煩うな。

明日は明日みずから思い煩わん。

きょう一日を、よろこび、努め、

人には優しくして暮したい。

(12)

幸福の便りというものは、

待っている時には決して来ないものだ。

(13)

学問なんて、

覚えると同時に

忘れてしまってもいいものなんだ。

けれども、全部忘れてしまっても、

その勉強の訓練の底に

一つかみの砂金が残っているものだ。

これだ。これが貴いのだ。

勉強しなければいかん。

(14)

てれくさくて言えないというのは、

つまりは自分を大事にしているからだ。

(15)

僕は自分が

なぜ生きていなければならないのか、

それが全然わからないのです。

太宰治(だざい おさむ、1909年〈明治42年〉6月19日 – 1948年〈昭和23年〉6月13日)、日本の小説家。左翼活動での挫折後、自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、第二次世界大戦前から戦後にかけて作品を次々に発表。主な作品に『走れメロス』『津軽』『お伽草紙』『人間失格』がある。


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