大地を踏みつけて進まねばならぬ。急がずに、休まずに。小説家 志賀直哉の言葉

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(1)

幸福というものは

受けるべきもので、

求めるべき性質のものではない。

(2)

求めて得られるものは

幸福にあらずして快楽なり。

(3)

金は

食っていけさえすればいい程度にとり、

喜びを自分の仕事の中に

求めるようにすべきだ。

(4)

読んだだけ、聞いただけが

ただ残っていく

という意味の物知りがいる。

これは知恵というものにはならない。

(5)

大地を一歩一歩踏みつけて、

手を振って、いい気分で、

進まねばならぬ。

急がずに、休まずに。

(6)

幸福は弱く、

不幸は強い。

(7)

仕事は目的である。

仕事をはっきりと目的と思って

やっている男には、

結果は大した問題ではない。

(8)

くだらなく過ごしても一生。

苦しんで過ごしても一生。

苦しんで生き生きと暮らすべきだ。

(9)

自己嫌悪がないということは、

その人が自己を

熱愛することのない証拠である。

自己に冷淡であるからだ。

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(10)

自分を熱愛し、

自分を大切にせよ。

(11)

素人か玄人かは、

その仕事に対する

作者の打込み方の相違だ。

(12)

すぐれた人間の仕事、

する事、言う事、書く事、

何でもいいが、

それに触れるのは実に愉快なものだ。

(13)

過去は

過去として葬らしめよ。

(14)

科学が

無制限に発達するという事が困る。

人間の特性というものは、

これに伴って、

進歩しないものだから。

(15)

一つの考えというものは

正しいか正しくないか

だけで評価できない。

正しい考えであって、

しかも一顧の価値さえないものあるし、

間違っていても

価値を認めないわけにはいかぬ

考えというものがある。

志賀直哉(しが なおや、1883年〈明治16年〉2月20日 – 1971年〈昭和46年〉10月21日)、日本の小説家。明治から昭和にかけて活躍した白樺派を代表する小説家のひとり。「小説の神様」と称せられ多くの日本人作家に影響を与えた。1949年、文化勲章受章。代表作に「暗夜行路」「和解」「小僧の神様」「城の崎にて」など。


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