自ら光を放つ小さな灯火たれ。森鴎外の言葉

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(1)

足ることを

知ることこそが、

幸福である。

(2)

己の感情は己の感情である。

己の思想も己の思想である。

天下に一人も

それを理解してくれなくたって、

己はそれに安じなくてはならない。

(3)

人に言うべき事は、

最後まできちんと言うがよい。

全部は言いたくないことだったら、

むしろ初めから黙っていよ。

(4)

日の光を借りて照る

大いなる月たらんよりは、

自ら光を放つ小さな灯火たれ。

(5)

生あるものは必ず滅する。

老木の朽枯れる傍で、

若木は茂り栄えて行く。

(6)

武士は

いざという時には飽食はしない。

しかしまた空腹で

大切な事に取り掛かることもない。

(7)

一匹の人間が

持っているだけの精力を、

一事に傾注すると、

実際、不可能な事は

なくなるかも知れない。

(8)

日本製の地球儀を眺めると、

日本が赤く塗られていますでしょ。

世界全体から見ると、

日本語圏はあれっぽっちです。

そこだけの価値観で一生を過ごすのは、

もったいないですよ。

(9)

苦難が大きすぎて、

自分ひとりの力で支え切れない場合には、

家族から身を隠して一人で泣きなさい。

そして、

苦悩を涙とともに洗い流したら、

頭をあげて胸を張り、

家族を激励するために家に戻りなさい。

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(10)

富人が金を得れば、

悪業が増長する。

貧人が金を得れば

堕落の梯を降って行く。

(11)

善とは、

家畜の群れのような人間と

去就を同じうする道にすぎない。

それを破ろうとするのは悪だ。

(12)

打ち明け過ぐるも悪(あ)しく、

物隠すように見ゆるも悪しきなり。

(13)

私は学殖なきを憂うる。

常識なきを憂えない。

天下は

常識に富める人の多きに堪えない。

(14)

みんなが誉めるのは、

おべっかである。

六割が誉めて

四割がけなすのが人材である。

(15)

友の変じて敵となるものあり。

森鷗外(もり おうがい、1862年2月17日〈文久2年1月19日〉 – 1922年〈大正11年〉7月9日)、日本の明治・大正期の小説家、評論家、翻訳家、教育者、陸軍軍医(軍医総監=陸軍中将相当)、官僚(高等官一等)。位階勲等は従二位・勲一等・功三級、医学博士、文学博士。本名は森 林太郎(もり りんたろう)。東京大学医学部卒業。大学卒業後、陸軍軍医になり、陸軍省派遣留学生としてドイツでも軍医として4年過ごした。帰国後、訳詩編「於母影」、小説「舞姫」、翻訳「即興詩人」を発表する一方、同人たちと文芸雑誌『しがらみ草紙』を創刊して文筆活動に入った。その後、日清戦争出征や小倉転勤などにより創作活動から一時期遠ざかったものの、『スバル』創刊後に「ヰタ・セクスアリス」「雁」などを発表。乃木希典の殉死に影響されて「興津弥五右衛門の遺書」を発表後、「阿部一族」「高瀬舟」など歴史小説や史伝「澁江抽斎」なども執筆した。陸軍を退いた後は宮内省に転じ、帝室博物館(現在の東京国立博物館・奈良国立博物館・京都国立博物館等)総長や図書頭を死去まで務めたほか、帝国美術院(現:日本芸術院)初代院長なども歴任した。


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