(1)
行蔵(こうぞう)は我に存す。
毀誉(きよ)は他人の主張、
我に与(あずか)らず我に関せずと存じ候(そうろう)。
各人へ御示し御座候とも毛頭異存(もうとういぞん)これなく候。
―― 我が行いは自らの信念によるものである。
けなしたりほめたりするのは人の勝手である。
私は関与しない。
どなたにお示しいただいてもまったく異存はない。
(2)
行政改革というものは、
余程注意してやらないと弱い物いじめになるよ。
肝心なのは、
改革者自身が己を改革する事だ。
(3)
人はみな、さまざまに長ずるところ、
信ずるところを行えばよい。
社会は大きいのだから、それでなんの不都合もない。
(4)
いわゆる心を明鏡止水のごとく、
研ぎ澄ましておきさえすれば、
いついかなる事変が襲うてきても、
それに対処する方法は、自然と胸に浮かんでくる。
(5)
みんな敵がいい、
敵がいないと何もできず。
(6)
政治家の秘訣は何もない。
ただ「誠心誠意」の四文字ばかりだ。
(7)
人はどんなものでも
決して捨(す)つべきものではない。
いかに役に立たぬといっても、
必ず何か一得はあるものだ。
(8)
どんな大悪人でも、
恩愛の情にはさすがにもろいもので、
この情という雨露に打たれると、
たちまち元気が衰えて善人になりかわるものが多い。
(9)
世間は活きている。
理窟(りくつ)は死んでいる。
(10)
生死を度外視する決心が固まれば、
目前の勢いをとらえることができる。
難局に必要なことはこの決心だけだ。
(11)
上がった相場はいつか下がるときがあるし、
下がった相場もいつか上がるときがあるものさ。
その間、十年焦らずじっとかがんでいれば、
道は必ず開ける。
(12)
やるだけのことはやって、
後のことは心の中で、
そっと心配しておれば良いではないか。
どうせなるようにしかならないよ。
(13)
人の一生には、炎の時と灰の時があり、
灰の時は何をやっても上手くいかない。
そんなときには何もやらぬのが一番いい。
ところが小心者に限って何かをやらかして失敗する。
(14)
世の中に無神経ほど強いものはない。
(15)
その人がどれだけの人かは、
人生に日が当たってない時に
どのように過ごしているかで図れる。
日が当たっている時は、何をやってもうまくいく。