(1)
会う人、出会うもの、
すべて我が師なり。
(2)
行き詰まりは、
展開の一歩である。
(3)
楽しまずして、
何の人生ぞや。
(4)
勝つは負ける日の初め、
負けるはやがて勝つ日の初め。
(5)
登山の目標は
山頂と決まっている。
しかし、人生の面白さは
その山頂にはなく、
かえって逆境の
山の中腹にある。
(6)
逆境を転じて、
その逆境をさえ、
前進の一歩に加えて行く。
(7)
晴れた日は晴れを愛し、
雨の日は雨を愛す。
楽しみあるところに楽しみ、
楽しみなきところに楽しむ。
(8)
人間とは、
一日中に何百遍も
菩薩となり悪魔となり、
たえまなく変化している。
(9)
あたたかい心で
人のなかに住め。
人のあたたかさは、
自分の心があたたかで
いなければ分かる筈もない。
(10)
人と人との応接は、
要するに鏡のようなものである。
驕慢は驕慢を映し、
謙遜は謙遜を映す。
人の無礼に怒るのは、
自分の反映へ
怒っているようなものといえよう。
(11)
あれになろう、
これになろうと焦るより、
富士のように、黙って、
自分を動かないものに作り上げろ。
(12)
百計も尽きたときに、
苦悩の果てが一計を生む。
人生、いつの場合も同じである。
(13)
世間はひろい。
秀でた人物がいないではない。
ただ、世の平静なる時は、
いないように見えるだけだ。
(14)
世間に媚びずに
世間から仰がれるようになれば、
自然と自分の値うちは
世の人がきめてくれる。
(15)
生きていること、
それはすでに、
世間の恩であった。