成熟というのは、未熟さを守ること。哲学者 鷲田清一の言葉

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(1)

 

「手応え」とか「真剣さ」は、

仕事にだけでなく、

遊びにも同じように要求される。

それを欠いた遊びは退屈である。

 

 

(2)

 

自分がわかっていないことが

わかるということが一番賢いんです。

 

 

(3)

 

まず、

自分たちの身の回りを

四つの視点から仕分けをすることが大事です。

一は絶対に手放してはならないもの。

二はあればいいけど、

なければないでいいもの。

三はあきらかになくていいもの。

四は絶対にあってはならないもの。

生きていくために不要な物。

こんなものに

いつまでも執着してはいけない。

 

 

(4)

 

右肩上がりの時代は、

もうとっくに終わりました。

これからは

生活を悪戯に膨張させるのではなく、

生活の質を高めていくこと。

それが成熟した社会のあるべき姿です。

 

 

(5)

 

成熟というのは、

未熟さを守ること。

 

 

(6)

 

現代は待たなくてよい社会、

待つことができない社会になった。

私たちは、

意のままにならないもの、

どうしようもないもの、

じっとしているしかないもの、

そういうものへの感受性をなくしはじめた。

 

 

(7)

 

わたしってだれ?

じぶんってなに?

じぶん固有のものを

じぶんの内に求めることを疑い、

他者との関係のなかにじぶんの姿を探る。

 

 

(8)

 

本当の絆とは何なのか。

それは、生きていくために、

食べていくために

力を合わせて働くこと。

 

 

(9)

 

より強いとされる者が

より弱いとされる者に、

かぎりなく弱いと

おもわれざるをえない者に、

深くケアされるということが、

ケアの場面ではつねに起こるのである。

 

 

(10)

 

生きること、

老いることの意味。

現代は

そういう問いを抱え込んでいる。

 

 

(11)

 

教養とは

「何が大事で

何が大事でないか」という価値判断、

「絶対いる」

「あったらいい」

「端的になくていい」

「絶対あってはならない」というのを

即断せずに持続させるのに必要な

「知性の体力」である。

 

鷲田清一(わしだ きよかず、1949年9月2日 – )、日本の哲学者(臨床哲学・倫理学)。大阪大学名誉教授、京都市立芸術大学名誉教授。せんだいメディアテーク館長。関西大学文学部教授、大阪大学総長、京都市立芸術大学理事長・学長などを歴任した。専攻は臨床哲学・倫理学。現象学・身体論を専門としており、ファッションを研究している。また、サントリー学芸賞、桑原武夫学芸賞、読売文学賞評論・伝記賞など各賞を受賞している。かつては大佛次郎賞、サントリー学芸賞(思想・歴史部門)、和辻哲郎文化賞(学術部門)、河合隼雄学芸賞選考委員などを務めていた。

 



 

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