生も一度きり 死も一度きり 一度きりの人生だから 詩人 坂村真民の言葉

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(1)

鈍刀をいくら磨いても

無駄なことだというが

何もそんなことばに耳を借す必要はない

せっせと磨くのだ

刀は光らないかもしれないが

磨く本人が変わってくる

つまり刀がすまぬすまぬと言いながら

磨く本人を光るものにしてくれるのだ

(2)

本気になると世界が変わってくる

自分が変わってくる

変わってこなかったら

まだ本気になっていない証拠だ

本気な恋

本気な仕事

ああ、

人間一度はこいつをつかまないことには

(3)

花は一瞬にして咲かない

大木も一瞬にして大きくはならない

一日一夜の積み重ねの上に

その栄光を示すのである

(4)

日々の生活を人間らしく

生きてゆくのも立派な修行である

そしてそれらはすべて

喜びを持って行ってゆかねばならない

喜びなくして行うものは

どんな難行を果しても

よい実を結ぶことはできない

(5)

大切なのは人間を見る眼の

人間に対する姿勢の

正しさにある

真実さにある

純粋さにある

(6)

美しいものは美しい心でながめ

優しいものは優しい心で接し

その日その日を送っていこう

過ぎてゆく月日を

宝のように大事にして

一度きりの人生を全うしよう

(7)

二度とない人生だから

まず一番身近な者たちに

できるだけのことをしよう

貧しいけれど

こころ豊かに接してゆこう

(8)

サラリと流れてゆかん

川のごとく

サラリと忘れてゆかん

風のごとく

サラリと生きてゆかん

雲のごとく

(9)

いつも心は燃えていよう

消えてしまっては駄目

いつも瞳は澄んでいよう

濁ってしまっては駄目

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(10)

道は数限りなくあれど

わが辿る道はただ一つのみ

花は数限りなくあれど

わが願う花はただ一つのみ

わが道をいかしたまえ

わが花を咲かしたまえ

(11)

人間いつかは終わりがくる

前進しながら終わるのだ

(12)

生も一度きり

死も一度きり

一度きりの人生だから

一年草のように

独自の花を咲かせよう

(13)

川はいつも

流れていなくてはならぬ

頭はいつも

冷えていなくてはならぬ

目はいつも

澄んでいなくてはならぬ

心はいつも

燃えていなくてはならぬ

(14)

一難去って

また一難

でも思えば

この難によって

念が鍛えられ

念の花が咲き

念の実が熟するのだ

(15)

少食であれ

これは健康のもと

少欲であれ

これは幸福のもと

この二つのものを

しっかりと身につけよう

この世を悔いなく終わるため

この世を楽しく生きるため

坂村真民(さかむら しんみん、1909年1月6日 – 2006年12月11日)、日本の仏教詩人。一遍の生き方に共感し、癒やしの詩人と言われる。愛媛県砥部町に「たんぽぽ堂」と称する居を構え、毎朝1時に起床し、近くの重信川で未明の中祈りをささげるのが日課であった。詩は解りやすい物が多く、小学生から財界人にまで愛された。特に「念ずれば花ひらく」は多くの人に共感を呼び、その詩碑は全国、さらに外国にまで建てられている。森信三が早くからその才覚を見抜き後世まで残る逸材と評した。


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