(1)
学人第一の用心は
先ず我見を離るべし
我見)自分の思いにばかりとらわれていること。
(2)
貧なるべし。
なまじ財多くなれば、
必ずその志(こころざし)失う
(3)
泥多ければ仏大なり
― 煩悩の多さゆえに苦悩したものほど、煩悩が消えたときには大きな悟りを開くことができる。
(4)
一大事
― 人はなぜ生まれ、どう生きるべきかを明らかにすることが一番大切なのだ。
(5)
身心脱落
― 一切を放下し、何の執着もない自由無碍の精神状態。
(6)
生死の中に
佛(仏)あれば、生死なし
(7)
日々是好日
― どんな一日も、大切に過ごせばかけがえのない日になる。
(8)
自己をならうとは、
自己を忘れることである。
(9)
行雲流水
― 行く雲のように、流れる水のように自由に場所を変え、とらわれることなく生きてゆきましょう。
(10)
花開けば必ず真実を結ぶ。
青葉秋に逢うて即ち紅なり
(11)
無益の事を行じて
徒(いたずら)に時を失うなかれ
(12)
身 初心なるを
顧(かえりみる)ことなかれ
― 経験が、知識がないからといって気後れすることはない
(13)
まことに一事をこととせざれば
一智に達することなし
― 何事も中途半端で終わってしまっては信念など生まれるはずがない
(14)
ただまさに法を重くし
身を軽くするなり
― 人のいやがることを進んで行う、一人一人のふとした思いやりがこの社会を明るいものにする。
(15)
薪(たきぎ)灰となりぬるのち
さらに薪とならざるがごとく
人の死ぬるのちさらに生とならず
― 今この一時を大切に生きる。