お釈迦様は
「この世は苦だ」とおっしゃいました。
お釈迦様は
国が戦争するのも、
自分の国が滅ぼされるのも見ました。
人間の嫌なところを見て、
自分が可愛がっていた弟子が
どんどん死んで
孤独を味わいました。
それでも、
最後の遊行の旅に出られたとき
「この世は美しい。
人の命は甘美なるものだ」と
おっしゃいました。
この世に対する全肯定、
人に対する全肯定です。
お釈迦様が
こうおっしゃったのだから、
この世は美しく、
人の命は甘美なのだと私は信じます。
私たちはもっと
もっと楽観的に生きていい。
私はそう思っています。
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瀬戸内寂聴(せとうち じゃくちょう、1922年〈大正11年〉5月15日 – 2021年〈令和3年〉11月9日)、日本の小説家、天台宗の尼僧。俗名:晴美(はるみ)。僧位は権大僧正。1997年文化功労者、2006年文化勲章。位階は従三位。元天台寺住職、同名誉住職。元比叡山延暦寺禅光坊住職。元敦賀短期大学(当時は敦賀女子短期大学)学長。徳島市名誉市民、京都市名誉市民、二戸市名誉市民。