(1)
何でも大胆にかからねばならぬ。
(2)
功名をなそうという者には、
とても功名はできない。
戦いに勝とうという者には、
とても勝ち戦はできない。
何ごとをするにも、
無我の境に入らなければいけないよ。
(3)
事を成し遂げる者は
愚直でなければならぬ。
才走ってはうまくいかない。
(4)
人には
余裕というものが無くては、
とても大事はできないよ。
(5)
自分の価値は自分で決めることさ。
つらくて貧乏でも
自分で自分を
殺すことだけはしちゃいけねぇよ。
(6)
急いでも仕方がない。
寝ころんで待つのが
第一だと思っています。
(7)
どんな難事に出逢っても
臆病ではいけない。
(8)
生業に貴賤はないけど、
生き方に貴賤があるねえ。
(9)
もし成功しなければ、
成功するところまで働き続けて、
けっして間断があってはいけない。
世の中の人は、
たいてい事業の成功するまでに、
はや根気が尽きて疲れてしまうから
大事ができないのだ。
(10)
時勢の代わりというものは妙なもので、
人物の値打ちががらりと違ってくるよ。
(11)
敵は多ければ多いほど面白い。
(12)
天下の大勢を達観し、
事局の大体を明察して、
万事その機先を制するのが
政治の本体だ。
(13)
外交の極意は、
誠心誠意にある。
ごまかしなどをやると、
かえって、
こちらの弱点を見抜かれるものだよ。
(14)
人間の精根には限りがあるから、
あまり多く読書や学問に力を用いると、
いきおい実務の方にはうとくなるはずだ。
(15)
いまの世の中は、
実にこの誠というものが欠けている。
政治とか経済と言って騒いでいる連中も、
真に国家を憂うるの誠から出たものは少ない。
多くは私の利益や、名誉を求めるためだ。