遠くを見すぎると、足下がおろそかになる。明日に向かって前進することが大事。五代目 坂東玉三郎の言葉

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(1)

遠くを見ない。

明日だけを見る。

(2)

遠くを見すぎると、

足下がおろそかになるのかもしれません。

明日に向かって前進することが大事なのでしょう。

(3)

公には言いませんけど、

個人的に、友達とするんですね、

「自慢させてね」と前置きして言って、

合槌を打ってもらうんです。

実際、自分で良いと錯覚するくらい、

うまい合槌を打ってくれる人がいい(笑)

「ふんふん」じゃなくて、

「ほんとにねえ」と言って欲しい(笑)

(4)

時には

自慢ぐらいしなくては生きていかれない(笑)と、

自分でほめたりしてるんです。

(5)

昨日言ったことが本当か、

今日言ったことが本当か、じゃなくて、

どちらも本当なんです。

(6)

本当の核心は無意識の中にあるというか、

言葉にするとゆがみが出ると思います。

(7)

世の中の大勢と

脚並みを揃えられない場合には、

世の中じゃないものになるしかないじゃないですか。

自分が違うものになって自由なところに脚をおろす。

(8)

美の基本はやはり丁寧でなければなりません。

私は、力技で他人と対さないということが、

日本人ならではのやわらかさだと思います。

他人への気遣いであり、優しさであり、

また所作が丁寧であることも

やわらかさに繋がるのだと思います。

(9)

ふだん何していますかと聞かれるでしょう。

芝居を観たりします、というと、

勉強家ですねといわれるけど、そうじゃないのね。

楽しいの。観てるときって。

やってるときよりいいときがあるし(笑)

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(10)

進歩するには背伸びも必要でしょうね。

ちょっとずつ背伸びして、

その時の自分よりも装って発言したり行動する。

そして次に

その背延びが嘘でないように努力するわけです。

(11)

型破りな演技は、型を知らずにはできない

型を知らずにやるのは、型なしというのだ。

(12)

会うことも会話もできない中で伝わるものが、

魂なのではないか。

(13)

ぴかぴかしていれば

お金がかかっていると思われがちですが、

さりげなく

普段着のようにすることのほうがすごいんです。

(14)

最大の成功は、

公演が終わって大きな幕が降りた瞬間、

場内の観客の顔に満足の表情が見える時です。

(15)

伝統芸能であろうとも近代のものであろうとも、

お客さまが〝生きていて良かった〟という

時間を過ごしてもらうという事が意味だと思います。

そういうものを舞台でお見せする事が

私達の使命だと思っています。

五代目 坂東玉三郎(ごだいめ ばんどう たまさぶろう、1950年〈昭和25年〉4月25日 – )、日本の歌舞伎役者、映画監督、演出家。歌舞伎名跡「坂東玉三郎」の当代。屋号は大和屋。定紋は花勝見(はなかつみ)、替紋は熨斗菱(のしびし)。重要無形文化財保持者(人間国宝)。日本藝術院会員。武蔵野音楽大学特別招聘教授。十四代目 守田勘弥の養子であり、本名は守田 伸一(もりた しんいち)。通名は守田 親市(もりた しんいち)、旧姓は楡原(にれはら)。


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