とにかく一歩を踏み出してみる。そうすれば、花咲く時は必ずやってきます。詩画作家 星野富弘のことば

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(1)

いのちが

一番大切だと思っていたころ、

生きるのが苦しかった。

いのちより

大切なものがあると知った日、

生きているのが嬉しかった。

(2)

過去の苦しみが、

後になって

楽しく思い出せるように

人の心には

仕掛けがしてあるようです。

(3)

川の向こうの紅葉が

きれいだったので

橋を渡って行ってみた

ふり返ると

さっきまでいた所の方が

きれいだった

(4)

この道は茨(いばら)の道

しかし茨にも

ほのかにかおる花が咲く

あの花が好きだから

この道をゆこう

(5)

私にできることは

小さなこと。

でも、

それを感謝してできたら、

きっと大きなことだ。

(6)

冬があり夏があり

昼と夜があり

晴れた日と

雨の日があって

ひとつの花が咲くように

悲しみも苦しみもあって

私が私になってゆく

(7)

神様がたった一度だけ

この腕を動かしてくださるとしたら

母の肩をたたかせてもらおう。

(8)

わたしは傷を持っている。

でもその傷のところから、

あなたのやさしさがしみてくる。

(9)

たおれても、

その時もしひまだったら、

しばらく空をながめ、

また起きあがるのさ。

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(10)

暗く長い

土の中の時代があった。

いのちがけで

芽生えた時もあった。

しかし草は、

そういった昔をひとことも語らず、

もっとも美しい今だけを見せている。

(11)

黒い土に根を張り

どぶ水を吸って、

なぜ、

きれいに咲けるのだろう。

私は大勢の人の愛の中にいて、

なぜみにくいことばかり

考えるのだろう。

(12)

見ているだけで

何も描けずに一日が終わった

そういう日と

大きな事をやりとげた日と

同じ価値を見いだせる

心になりたい

(13)

「人生が二度あれば」とは、

今の人生を諦めてしまうから

出てくる言葉です。

今を精一杯生きられないで、

どうして次の人生を

しっかり生きられるでしょう。

(14)

はじめは苦しくてつらいことが、

自分を成長させてくれます。

とにかく前に

一歩を踏み出してみる。

そうすれば、

花咲く時は必ずやってきます。

(15)

辛いという字がある

もう少しで

幸せになれそうな字である

星野富弘(ほしの とみひろ、1946年4月24日 – )、日本の詩人、画家。中学校教諭として指導中に頸髄を損傷、手足の自由を失う。入院中、口に筆をくわえて文や絵をかき始める。


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