(1)
苦しみが性格を高潔にするというのは嘘だ。
幸福は場合によってそうだが、
苦しみはたいていは人間を弱くし、執念深くする。
(2)
傑作は、努力せぬ天才の幸運な偶然よりも、
作家として長年精進を重ねてきたあげくにこそ、
生まれる確率が高いのだ。
(3)
金を払って他人にやらせられることを、
自分自身ですべてやってしまうほど、
人生は長くはない。
(4)
年老いていくのが耐えがたい理由は、
肉体や精神の衰えではなく、
記憶の重さに耐えかねることである。
(5)
もっとも永く続く愛は、
報われぬ愛である。
(6)
長い目で見れば、
利口者や金持ちに生まれつくよりも、
運の良い人間に生まれついた方がいい。
(7)
金だけが人生ではない。
が、金が無い人生もまた人生とは言えない。
十分な金が無ければ、
人生の可能性のうち半分は締め出されてしまう。
(8)
人生とはおかしなものだ。
最高のものしか受け付けずにいると
最高のものを得られる場合が多い。
(9)
人生には2つ素晴らしいことがある。
考える自由と行動する自由である。
(10)
思い煩うことはない。
人生に意味はないのだ。
(11)
良い妻というものは、
夫が秘密にしたいと思っている些細なことを
常に知らぬふりをする。
それが結婚生活の礼儀の基本である。
(12)
愛とは、種の存続を達成するために
我々に仕掛けられた汚いトリックにすぎない。
(13)
ある人はアヘンに、
ある人は神のなかに道を見いだそうとする。
ある人はウイスキーに、ある人は愛の中に道を探す。
それらはすべて全く同じ道。
どこにもつながっていない。
(14)
残念ながら、
他人を不幸にせずには、
自分が正しいと考えることを行えないときがある。